札所の用語ガイド

秩父札所の開創:西国坂東と共に、日本百観音霊場に数えられている秩父札所34ヶ所観音霊場は、文暦元年甲午歳3月18日開創と伝えられています。

十三権者:秩父札所は十三権者が巡拝して始めたと伝いいます。熊野権現・蔵王権現・妙見大菩薩・善光寺如来・閻魔大王・倶生神・花山法皇・白河法皇・徳道上人・性空上人・医王上人・良忠僧都・通観法印です。

長享2年の番付:秩父札所が室町時代中期に成立していたことを示す貴重な資料。

秩父札所30番の古納札:納札には「天文五年奥州葛西住赤萩伊豆守平清定 西国坂東秩父百ヶ所只一人為二親菩薩」とあり、その頃百観音になっていたと思われます。

本尊:聖観音21・十一面6・千手3・如意輪2・馬頭1・准胝1の6観音です。

本尊製作者:行基15・弘法大師5・慈覚大師3・恵心僧都3・聖徳太子・伝教大師・玄宗皇帝などです。

宗派:曹洞宗20・臨済宗11・真言宗3です。

修験道だった寺:14番・18番・24番・28番・31番です。

秩父三十四所観音霊場円通伝:建部涼袋が秩父に滞在して書き、延享元年出版!

秩父札所観音霊験記:安政6年、万亭応賀の霊験譚と歌川豊国と国貞・二代歌川廣重による錦絵

秩父六道:地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上

秩父十三仏:不動・釈迦・文殊・普賢・地蔵・弥勒・薬師・観音・勢至・阿弥陀・阿シュク・大日・虚空蔵

十二支の守り本尊:子=千手観音・丑寅=虚空蔵・卯=文殊・辰巳=普賢・午=勢至・末申=大日・酉=不動・戌亥=阿弥陀

施無畏の奉額:施無畏とは恐ろしいものを一切なくす功徳を施す観世音菩薩であるという意であります。

仏足石:釈尊が入滅の際に残したという足型を石面に刻んだもの。

おびんずるさま:仏弟子十六羅漢の第一尊者で撫で仏といわれ、これを撫でて病気の平癒を祈ります。

脱衣婆:三途の川にいて、亡者の着物を剥ぐという婆です。

千匹猿:堂内に吊されているくくり猿、難をサル、胎児に似ていることから安産・子育てを祈願し、12年毎の御開帳の年に女性達が集まって作り奉納します。

増上寺の石灯篭:各寺にある葵の紋の入った大型の石灯篭は、東京芝の徳川将軍の菩提寺・増上寺にあったもので、昭和50年に移設されました。秩父札所には文昭院殿・有章院殿・惇信院殿の墓前に供えたものがあります。

道しるべ石:生国相州三浦郡小坪村と刻まれた道標石が巡礼道に多く残されています。

納札:巡礼礼ともいう。参拝の願意住所氏名等を木札に書いて打ちつけたが、現在は紙となり観音堂に貼らず納札箱等に納めます。

納経:祈願や信心のため写経し寺に奉納することです。近年は参拝の証明として宝印をうちつけることを納経とよんでいます。