寺の前に、結願の御砂ふみがある。平らな黒御影石に二つの足形が揃えて彫ってあり、「足形の上で拝めば、百観音巡礼の功徳がある」と刻まれています。この上に乗って手を合わせると、西国33ヶ所、坂東33ヶ所、秩父34ヶ所の合わせて日本百観音巡礼を果たしたという爽快な気分になるから不思議です。秩父札所34番の観音堂は、寛政の頃(1789~1800)、江戸在住の人々の寄進によって再建されたと伝えられる方形屋根、四間四面の建物で、周囲の環境と調和して結願の寺にふさわしい森厳な寺域であります。観音堂に向かって右奥の岩下に、自然の岩窟があり、清水が湧き、かたわらに石仏がまつってあります。秩父34ヶ所の巡礼を終えた人達が、ここで結願の水垢離をとって、笈を解いたところである。秩父札所34番の寺名はこの行事に由来します。苔むした大きな水鉢にあふれる清水を口に含むと、山の霊気がこもったようなすずやかな味で、身も心も清冽な気分に満たされます。
萬代の ねがいをここに 納めおく 苔の下より いづる水かな
住所:秩父郡皆野町下日野沢3522 TEL:0494-62-3999
寺の讃佛堂内の左側に、オビンズル様が坐しております。撫でぼとけといわれております。自分の体の悪いところを撫でて、その手でオビンズル様の同じところを撫でると病気が治るといわれております。頭や肩、ひざなどがピカピカに光っているのは、大勢の人が撫でたからであります。
寺の本堂の前に百観音御砂と彫られた足形があります。ここには百観音の御砂が納められております。この上に立って、西国阿弥陀如来、坂東薬師如来、秩父千手観音の三体の御本尊を拝めば、日本百観音巡礼の功徳が得られるといわれております。
佛足は佛の遊行教化を表象したもので、最も尊いものであります。人々に厚く信仰礼拝されております。このお堂の前に立って無心になり、心から礼拝するとき、おだやかな心になってくるのであります。参道にも佛足の碑が建っております。
寺の本堂右手の方に石の絶壁があり、その下に、自然にできた岩屋があります。ここには清水が湧いております。観音詣りが終ったら、この中をくぐって身を浄め、俗世間にもどる習わしがありました。これから水潜り寺が水潜寺となりました。多くの巡礼者が岩屋に入っていくのをみかけます。
水潜りの岩屋から湧いている水が、筧から流れ落ちています。夏でも冷たい清水です。この水は「長命水」といわれ、健康によいと言われております。このそばに「水潜寺水かけ地蔵尊」が立っておられます。長命水を柄杓にくんでお地蔵様の頭から三杯かけてお願い事を三度お唱えするのであります。