寺の参道の正面に「正大悲殿」の額を掲げる間口8間、入母屋造りの観音堂があります。向拝の内部は広い土間で、本尊を間近く拝むようになっています。秩父札所33番の本尊は聖観音一木造りの県指定文化財、藤原時代の秀作。右手の壁面高く、名高い「子がえしの絵図」が掛かっています。秩父聖人と言われる井上如常が奉納したものであります。如常はこの絵の中で、嬰児殺しの悲惨な風習を戒めて、わが子を圧殺するなど極悪非道の所業だと母親をはげしく責めています。そして左側には孝行和讃と、唐の楊夫人がわが子を差し置いても姑の老婆に乳を与えている彩色絵の奉額があります。秩父札所33番の境内には数基の古碑があるが、中でも芭蕉の句碑は有名で寛保年間1741~1743)に翁の50回忌に建てられたもので、「寒菊やこぬかのかかる臼のはた」と刻まれ、秩父で最も古い句碑といわれています。
春や夏 冬もさかりの 菊水寺 秋の詠めに おくる年つき
住所:秩父市吉田1104 TEL:0494-77-0233
寺の本堂内の右手の壁に有名な、子返しを戒める額が掲げてあります。これは秩父聖人といわれた井上如常の奉納したものであります。生活苦から、生まれた嬰児の口をふさいで圧殺している絵で、非道な行為だと激しく責めております。
寺の本堂前に、慈悲地蔵尊と彫られた台座の上に、地蔵尊が立っておられます。文字通り慈悲深いお顔のお地蔵様であります。よろず困ったとき、この前に立って拝むと不思議にもお慈悲によって希望が湧いてきます。熱心に拝んでいる巡礼者をみかけます。
芭蕉句碑があります。寛保年間に建てられたもので、県内最古であります。
寒菊や こぬかのかかる 臼の端
本堂前に厄除地蔵尊と彫られた台座の上にお地蔵様が立っておられます。厄除のご利益にあずかりたいと、小さなお姿を供えて供養する人が多いです。巡礼者が何度も拝んでいる姿をよくみかけます。
この観音様の台座には、女人講中と彫られております。安産、子育てのご利益があるといわれ、女衆の信仰が厚いです。最近では、女の人たちが札所巡りを熱心にする方が多くなってきているようです。多くの巡礼者が拝んでいる姿をみかけます。
本堂左手の奥に、赤いお宮の稲荷社があります。たくさんのお白狐が供えてあります。この稲荷様に願いをかけて、願が叶ったらお札詣りをするのであります。寺院を守護し、家内安全のご利益があると信仰されております。