札所30番 瑞竜山法雲寺

寺の参道につけられた10数段の石段を上ると、右側に納経所を付設した庫裏がある。前面には谷水を引き入れた池があり、その周りは手入れの行き届いたサツキで埋め尽くされています。宝形屋根、三間四面の朱塗りの堂であります。楊貴妃観音とも呼ばれる本尊の如意輪観音についての寺伝は、1319年(元応元年)鎌倉建長寺の道隠禅師が、唐朝の玄宗皇帝が寵愛した楊貴妃の冥福の為、自ら彫刻し、不空三蔵が開眼したものをこの地に招来安置したものだと説く。高さ39cmの如意輪観音は、片ひざを立てた金色燦欄たるもので、ふくよかな手や頬の流れ、華やかな冠や瓔珞など、まさに中国渡来だという寺伝も納得できる。この寺に保存されている納札は、全国的にも珍しい木の板に陰刻されたものであります。6枚現存されているが、秩父札所の貴重な一級資料ではなかろうか。

一心に 南無観音と 唱うれば 慈悲ふか谷の 誓いたのもし

住所:秩父市荒川白久432 TEL:0494-54-0108

札所30番

寺の境内は広くて綺麗な池があり、まわりにサツキ、アヤメ、ツツジ、フジなどが植えてあります。この池は心の字の形に造ってあり、心字池といいます。ここにかけられた石橋を渡ると浄土があるといいます。巡礼者の方が有難く渡っている姿を見かけます。

 
札所30番

石段を上がると観音堂があり、その左側の山手にはたくさんの石佛が並んでおります。赤い帽子にオカケをかけて、なんとも心地よい気分です。こんなにたくさんのお地蔵様に見守られていて有難く思います。巡礼者の多くを暖かく見守って下さります。

 
札所30番

寺には珍しい動物の霊を供養する山水群霊の碑があります。これは奥秩父鉱泉郷旅館組合の建立したものであります。料理に使った魚、野鳥等の霊に感謝し、供養するものであります。巡礼の鈴の音と読経を聞いてこれらの霊が成佛できるようにと立札に記されております。