札所28番 石龍山橋立堂

寺の観音像は、迫り出した70m程の石灰岩の岩壁の下に建つ。三間四面、流れ向拝を付した方形銅板葺きの堂であります。秩父札所28番の本尊は、札所中唯一の馬頭観世音で、高さ26.5cm、漆箔三眼、三面三臂の坐像で鎌倉時代の逸品だが、現在三臂並びに馬頭を欠いているのが惜しまれています。秩父札所28番の馬頭観音は、六観音・八大明王の一つで、冠に馬頭をいただき、身色は赤で、いかりの相を表し、一切の魔や煩悩を打ち伏せるといいます。ところで、ここには県指定天然記念物の橋立鍾乳洞があります。洞穴の長さは130~140m、入口の高さ2.2m、幅3mで、内部には鍾乳石・石筍・石柱・岩皺など奇怪な形容で入った人を驚かせています。弘法大師の後姿、上り竜、下り竜、仁王の足などと名付けられた奇石の洞内くぐりは、子供たちはスリル満点の探検であり、大人たちにとっては魅力ある夏のひと時となります。また、札所境内から鍾乳洞にかけての一帯は、地質・鉱物・古生物・考古学の宝庫であります。

霧の海 たちかさなるは 雲の波 たぐいあらじと わたる橋立

住所:秩父市上影森675 TEL:0494-24-5399

札所28番

橋立鍾乳洞は、自然の造った奇岩、造形美が見事であります。石筍や石柱があり、更に上り竜、下り竜、弘法様の後姿などと名づけられた奇岩があって大勢の人で賑やかであります。毎年、多くの人々が訪れております。

 
札所28番

堂の右手に馬堂があり、左甚五郎作という白馬の像があります。昔、非道な領主が里人の崇敬する観音像を打ちこわしたら忽ち病死した。すると大蛇が出て里人が困っていると白馬が現れて額から光を出した。大蛇は人間の言葉で「私は領主だ。佛知により得脱した。衆生の信心を励まそう。」と石になり、白馬は本尊の帳に入ったといいます。

 
札所28番

寺の赤い帽子をかぶった、このお地蔵様のオカケには、観音経らしき文字がびっしりと書かれております。巡礼に来る人々の安全を見守ってくださるかのように、ここへおられます。巡礼者の人が拝んでいる姿をよく見かけます。