本堂の戒壇には、高さ1.2mの衣の下に鎧をつけた軍身姿の勝軍地蔵菩薩立像、十一面観音像、毘沙門天像などがあります。岩井堂は更に30分ほどの山の上にあります。昭和電工の間を抜け、つきあたりの琴平神社の石段を上れば、神社の奥の院をめぐって岩井堂に着きます。鳥居をくぐらず、右横の山路を登るのが本来の参道で、尾根に向かって一直線300段余りもある苔むした石の段。勾配が急なので少々きついです。登りつめると懸け造りの岩井堂が見上げるような岩山に抱かれるように建っています。間口・奥行各三間、方形屋根二重垂木、三方勾欄をめぐらした朱塗り舞台の堂であります。前面は急傾斜数丈の高さで、浜縁からの景観は左手に武甲山の山肌がせまり、前方に奥秩父の連峰が望見できるという素晴らしさです。秩父札所26番は昔、このお堂に参拝した江戸の巡礼者が、一人で手すりにもたれているとき、湧き上がる霧の中に有難いお姿を見て「極楽浄土だ!」と感激したといいます。
尋ねいり むすぶ清水の 岩井堂 こころの垢を すすがぬはなし
住所:秩父市下影森348 TEL:0494-23-8838
円融寺はいくらかの張りの美しい寺で、堂々としていて安心を与えてくれます。正面の鰐口を叩いてよく拝むと、商売繁昌、家内安全のご利益があるといいます。綱の下に墨字ではっきりとかいてあります。
寺の岩井堂の奥へ行くと岩の間にいくつかの石佛があります。地獄の閻魔大王をはじめ、数々の石佛があり、何か、人間を裁いているようにみえました。やっとのことで、たどり着いたこの場所にも、裁きの間があるのでしょう。
岩井堂の奥の道をさらに登り、奥へいくと小高い岩のうえに大日如来様が武甲山を見渡すように坐っておられます。江戸の初期からずっとここへいて、何人もの巡礼者の心を癒したのでしょう。とてもやさしいお顔をしております。
このような地形を利用して秩父修験の行者達はこの道を日に何往復もし、武甲山頂を拝し両神山を拝み邪心を去り行を積まれました。こうした行者の方々が江戸へ出て観音講を広めたと聞きます。この道を何往復もするとはとてもすごいですね。