札所25番 岩谷山久昌寺

寺入口に「御手判寺」の大石柱。御手判というのは、札所開創の時、性空上人らが冥土からもたらした石札の一種で閻魔大王の手形石だと言われています。石柱のすぐ向こうに小さな仁王門。千社札の一枚も貼られていない茅葺の門は小さいながら品格高い仁王像を両袖に納めています。秩父札所25番の観音堂は、三間四面、宝形屋根流れ向拝の建物。1尺7寸1分の一木造りの観音を拝し、背後の土手に上ると弁天池がひろがります。古くは、この水上に弁天堂がまつられ参詣したというが、今は池の対岸にある久昌寺の境内に移されている。境内には、たくさんの猫がいるが、皆、すてていくのだと言う。なんともおろかなことです。猫を捨てるためにこの寺にくる人がいるなんて・・・。観音様のバチがあたるでしょう。昔よこしま女がいて村を追われ洞窟の中に住んでいた。娘は気立てのよい子で母の死後もその菩提のため寺を建てたいと念願していた。里人もその考心に打たれて助刀して出来たのがこの寺だといいます。

みなかみは いづくなるなん 岩谷堂 旭も久那く 夕日かがやく

住所:秩父市久那2215 TEL:0494-23-7309

札所25番

寺は「御手判寺」ともいわれております。性空上人をはじめ十三人の聖者が、秩父の札所を巡拝したとき、閻魔大王から贈られた御手判石をここに残したからだといいます。希望する人には、この御手判の墨刷りがいただけます。この御手判を持って札所詣りをすれば道中安全といわれております。

 
札所25番

弁天堂前の竹林から、池を透して見る観音堂の姿は、秩父十景に入れてもいいほどの美しさで、この堤を白衣の巡礼者たちが影を映して歩くなど眼福まさに千両ともいえます。また、この池で、釣りを楽しむ人たちの姿も見えました。

 
札所25番

眼を上げれば武甲山の姿も見え、心やすらぐ場所に、弁財天をを祀るお堂があります。綺麗に整ったりっぱな造りです。白龍王弁財天と呼ばれ、弁才、智慧、延命、幸福を司どります。巡礼者が拝んでいる姿を見かけます。

 
札所25番

寺の近くの里にはジャランポン祭りという奇祭があります。これは生きたままの人間を棺桶に入れ葬るという儀式ですが、人間再生への願いを込めた習俗行事の一つであります。こういう珍しい奇祭は、いつまでも続けていってほしいですね。