札所18番 白道山神門寺

札所18番寺は、もと14番今宮坊に属する修験寺で、当時は大いに栄えたというが、寛政(1789~1800)のころ焼失、今の観音堂は天保時代(1830~1843)に再建されたと言われています。秩父札所18番の堂は宝形銅葺き、三間四面で周囲に縁勾欄をめぐらし、正面に三段の階をつけ、大唐破風の向拝を配した小さいながら風格のある堂です。秩父札所18番の寺伝によると、ここは昔神社だったが、いつの間にか荒廃し、再興を願った村人達は神楽を奉奏しました。すると巫女に霊験があり、観音の霊地すなわち寺を建てよとのお告げがありました。村人達は聖観音を安置し、霊場を開いたのがその創始だといいます。本尊は聖観音立像で高さ3尺1寸(93.9cm)、両手に蓮華をもつ室町時代の作です。ここには、札所三十四ヶ寺の本尊を彫った版木があり昔はこれを刷って信者に配ったといいます。

ただたのめ 六則ともに 大慈をば 神門に立ちて たすけたまえる

住所:秩父市下宮地町5-15 TEL:0494-25-0598

札所18番

寺の額は、秩父の生んだ芸術家、森玄黄斎の揮毫・彫刻によるものです。玄黄斎は印籠、根締め七副神、大黒天、恵比寿像などの彫刻をよくし、書画にも秀でていました。有名なのは「印籠譜」2巻で、印籠に掘り込む山水、人物、花鳥などの図柄を刻印したものです。

 
札所18番

本堂に向かって右手に火災鎮護の不動尊のお堂があります。よく整っていてきれいなお堂です。この不動様は火災鎮護のご利益があるとて人々に信仰されております。本堂をはじめ、境内のお堂や、信仰する家族まで守ってくださるといいます。

 
札所18番

本堂に向かって左側に十二支守り本尊のお堂があります。蓮華堂と記された堂内には、お釈迦様を中心として佛像が祀られております。十二支の守り本尊として信仰されております。巡礼者が拝んでいる姿をよく見かけます。

 
札所18番

平成四年に祀られたニコニコしたお地蔵様です。いつもニコニコしていて参拝者を迎えてくれております。心暖まるお地蔵様であります。お地蔵様の御真言「オンカーカビサンマーエーソワカ」「オンニコニコハラタテマイゾソワカ」とわかりやすく唱えた和尚さんがいたといいます。微笑みといつくしみを与えてくれるお地蔵様です。