札所15番 母巣山少林寺

秩父線の踏切を渡ると石段の上に白塗り土蔵造りの本堂があります。札所15番寺は1878年の秩父大火の際、この寺も例外なく焼失したので、本堂再建の際、内部は和式ながら火災予防の見地から木造の外側をすべて白色の漆食塗りで仕上げたもので、札所中唯一の土蔵造りの堂であります。札所15番の参道の入口に「五葉山少林禅寺」とあるので、訪れる人は間違ったと迷う人も多いと思います。もともとこの寺は母巣山蔵福寺といい秩父神社境内にありましたが、明治維新の神仏判然令でいったん廃寺になりました。そのため、札所15番がなくなってしまうのを憂えた信者たちが役所に願い出て市内柳島にあった五葉山少林禅寺を現在のところへ移し両寺合わせて秩父札所15番を継承することにしたのだといいます。こんな話もあります。江州の商人が東国へ行く途中「定朝が観音像を造ったのでだめだ!秩父で暴れよう」という疫病神の声を聞きました。そこで定朝から疫病退散の観音像を授かってきてお堂を造って安置しました。

みどり子の ははその森の 蔵福寺 父もろともに 誓いもらすな

住所:秩父市番場町7-9 TEL:0494-22-3541

札所15番

こじんまりした美しい秩父札所15番寺のお堂に地蔵様が祀られております。このお地蔵様は子育ての御利益があるといわれ、願をかける人が多いです。この寺に来て鳴る鈴の音に振返ると、子供の成長を一心に願っている巡礼者の姿をみます。

 
札所15番

明治17年11月この静かな山里に秩父事件がおこりました。生活に苦しむ農民約1万人が蜂起し、各地で戦斗が展開されました。この戦斗で殉職した警官窪田鷹男、青木興市の両警部補に対し山縣有内務大臣から贈られた碑文が建立されております。この碑に静かに手を合わせている人もおります。