札所10番 万松山大慈寺

秩父札所10番寺は赤い頭巾と白い腹掛けを着せられた延命地蔵に迎えられ、急な石段を上ると三間二面の楼門形仁王門があります。両袖の火灯窓をのぞくと、4尺(1m21cm)位の形のいい仁王が構えておられます。秩父札所10番の本堂は、中央部に2間半の向拝がつき、その中が土間になっていて参詣者は履物のまま入って拝むことが出来ます。本尊は、恵心僧都の作と言われる聖観音で、賽銭箱の横に40cmほどの赤渋色のお賓頭盧さまが、笑顔で座っています。信者が自分の病む個所を手でさすり、それでお賓頭盧さまの同じところをなでると、病気がそこへ移るという俗信があり、願掛けをする人があとを絶たない。そのため手沢で全身がぴかぴかに光っています。

ひたすらに たのみをかけよ 大慈寺 六のちまたの 苦に変わるべし

住所:秩父郡横瀬町横瀬5151 TEL:0494-23-4124

札所10番

道の通りに赤い頭巾と赤い腹がけを着せられた、ふっくらした顔だちの大きな延命地蔵が巡礼者たちを笑顔で迎えてくれております。この寺の名物珍竹梅が枯れてしまってお目にかかれなくなった今では、大慈寺の人気者はニコニコ顔の延命地蔵でしょうか。

 
札所10番

庚甲様のお堂があります。庚甲様は安心立命の御利益があると人々の信仰が厚いです。線香を供え、鈴を鳴らして拝んでいたり、切花を持ってきて供えていく巡礼者も見られます。昔から、多くの巡礼者の安心立命の御利益を与えてくださったでしょう。

 
札所10番

オビンズル様とは、十六羅漢中第一の位にあったが、その神通力をもてあそび、良からぬ所業があったので釈迦の呵責を受けて涅槃を許されず、釈迦の入滅後も衆生を救いつづけたという白髪・長眉の仏神だったといいます。神通力とは、神をもゆるがす力だったのでしょうね。