札所4番 高谷山金昌寺

秩父札所4番寺に着くと目の前に二階造りの仁王門が現れます。山門の両側には、木造りでは札所一番の大きさを誇る身の丈7尺の仁王が力強い形相で人々を射竦めています。口を大きく開いた呵形の金剛、ぐっと口を結んだ吽形の力士。左右の柱に2mほどの大草鞋がかけられています。秩父札所4番の仁王は健脚の神として尊信されてきたところから草鞋の奉納となったと言われております。金昌寺は石仏の寺として有名であります。1300余体で、その形態は羅漢、観音、地蔵、不動、十三仏などさまざまであります。寺に石仏が多いのは、1624年住職古仙登嶽和尚が、寺院興隆のため石造千体仏建立を発願し江戸を中心とする各地を巡り寄進をつのり、7年の歳月をかけて成就したものだといいます。

あらたかに まいりておがむ かん世音 二世安楽と 誰も祈らん

住所:秩父市山田1803 TEL:0494-23-1758

札所4番

この稲荷様は、門の左側に祀られております。遠く室町時代からの古い社で、伏見稲荷の分祀といわれています。五殻豊穣、商売繁昌の神様で、近隣の農家、商人の信仰が厚く、その御功徳は遠く江戸まで伝わったといいます。家内安全、商売繁昌、失物発見等諸々の祈願をして繁栄したので開運稲荷神社と称せられております。

 
札所4番

寺の1300余体の石佛群は有名であります。寛政元年登嶽和尚が、寺の繁栄と天災等の犠牲者供養のため発願し、7年後に成就しました。近くの石屋さんが、寄進者の注文によって石佛を作り寄進したといいます。この石佛群を眺めると、心忙しい人々も安らぎを覚えるのであります。

 
札所4番

本堂の前の子育観音は有名であります。母親が子供に乳を与えている姿が美しく表現されています。やさしい母親と無心な子供の姿に、見る人はみな感心をしております。このお姿に我子の無事な成長を願っている母親もたいへん多いです。子育ての美しさとは、本来、こういった形をいうのでありましょう。

 
札所4番

本堂の前に、オビンズル尊の像があります。この像は頭や肩、ひざなどが光っております。これは体の悪い人が撫でて拝むからであります。頭の痛い人はオビンズル様の頭を、足の悪い人は足を撫でるとよくなるといわれております。色も落ちてきて、さぞかし多くの人々が撫でて拝んだのでしょう。

 
札所4番

この山の奥の院には、大きな岩があり、清水が垂れ落ちております。ここに弘法大師様が祀られております。左には薬師像があり、清水が湧き出ております。この水は眼病を治すといわれております。この水をもらっていって眼を洗うとよいといいます。たいへんありがたいお水ですね。

 
札所4番

右手に徳利をもち、左手で大盃を逆さにしている石佛があります。たいへん特徴ある姿なので、すぐ目につく面白い像であります。秩父札所酒呑み地蔵と呼ばれております。こんな話があります。この地の名主さんが、お酒の上で失敗したので、「もう酒は呑みません。」と代官の前で誓ったのに由来するといいます。禁酒をこの前で誓っている人もいるといいます。